何らかのやるべき事が近づくにつれ、不安な気持ちになることは誰にでもあるでしょう。
慣れていない事をやらなくてはいけない時、計画が上手くいくか心配な時、人前で発表するのが苦手という方も少なくないでしょう。遅刻をせずに、初めての場所へ迷わず行けるだろうか、というような不安もあるかもしれません。
人それぞれ、その時々で様々な不安、心配に出会うことと思います。
しかし、どんな不安であろうと、それを多少なりとも軽減させることは可能なはずです。
1.悩む時間があれば不安部分をとことん準備しておく
2.失敗を想定して事前に対策を考えておく
不安の要素
人はなぜ、不安を感じるのか。 その根底にあるのは、「結果がどうなるかわからないことへの恐れ」というものだと思います。
たとえば学校時代、人前での発表を明日に控えた時、「明日学校行くのイヤだなぁ。みんなの前で言うの緊張するし」と思った経験がある人は多いと思います。 「なぜ、イヤなのか」「なぜ、緊張するのか」を思い出してみましょう。
それは、結果を悪い方向にシミュレーションしてしまうからではないでしょうか?
・失敗したらイヤだから
・上手くいかなかったら、どうしよう
・間違えたら恥ずかしい
(その先には)
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・みんなから笑われてしまうかも
・バカだと思われたくない
・嫌われたら悲しい
といったような思いが、少なからず潜んでいるのかもしれません。
不安を抱く時、その多くが、この「結果を悪い方向にシミュレーションしてしまう」、
そんな想像が働いてしまうのです。
●面接を控えて不安になる
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難しい質問されたらどうしよう、上手く受け答え出来なかったら
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落ちてしまうかも
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行きたかったところなのに悲しい。また新しい会社(学校)の挑戦しなくてはいけない
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面倒くさい、イヤだなぁ
●新しい仕事が上手くいくか不安になる
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失敗したらどうしよう、迷惑をかけてしまったら
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怒られてしまいそう、嫌われるかも
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周りから冷たい目で見られ、居心地が悪くなりそう
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悲しい、辛いなぁ
といった具合です。
つい、嫌なことを先回りして、心のどこかで想像してしまっているのかもしれません。
或いは、はっきりとそれを自覚しているからこその不安もあるでしょう
ならば、どうすれば、このような不安を少なくさせることが出来るのでしょうか?
簡単に言えば
<まずは、失敗をしないようにすればいい!>
ということですよね。言うのは簡単ですが、それが出来るなら苦労はしない、といったところでしょう。
しかし、不安材料には「上手くいかなかったら」とか「失敗したら」、という共通点があるわけです。
それならば、「少しでもその原因をやっつけてしまおう!」ということが、不安を和らげる解決になるはずです。
つまり、
不安な部分を、とことん準備しておく
ということなのです。
もちろん、それで不安がゼロになるとは限りません。しかし、悩んでいる時間があるなら、そのための準備、或いは練習に充ててしまうことです。準備や練習をしている間の脳は、そのための動作や行動が集中的に働きます。そのため、不安を感じる部分の脳活動が、その分だけ鈍るとも言えるわけです。つまり、心配している暇がない、という環境が作られるということです。
それに、準備や練習をすればするだけ結果も良くなるはずです。何もやらない時より、成功率が高くなります。そして何より、悩んでいる時間がその分だけ減る、というわけです。
ですから、不安なことを前にしたのならば、時間が許す限り、そのための準備をする、練習をする、という心がけをしてみてください。
それで、不安が多少は和らぐかもしれません。
失敗を想定して事前に対策を考えておく
もう一つは、失敗を想定して、その時はどう振る舞うかを事前にシミュレーションしておく、というものです。
よく「願いを叶えたければ、その成功している場面をイメージすればいい」など、上手くいった場面を想像することで、それが現実になる、といった感じの引き寄せの話がありますよね。
私も、それ自体を否定する気はありません。
ですが、不安が強い時ほど、そう簡単にはポジティブな気持ちにはなれませんよね。
上手くいっている場面をイメージしようとしても、潜在意識の中にあるネガティブをなかなか打ち消すことが出来ないでしょう。
そこで、ここではあえて「失敗した時のことを想像」してみてください。
そして、先回りをして、その失敗に対する答え、対応を用意しておくのです。
たとえば
<緊張しすぎて、発表がスムーズに上手く出来なかったケース>
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最後に、以下のような言葉を付け足して、その練習までしておくのも良いかもしれません。
「これで終わりなのですが、緊張しすぎて上手く話せませんでした。 わかりづらくて、申し訳ございません。私、こういうの本当苦手なんです。」
というような言葉です。
言ってしまえば、言い訳ですね。 そんな言い訳程度で変わるもんか、と思われるかもしれません。
ですが、悪気のない言い訳をその場ですることによって、プライドを保てることもあります。 なぜならば、「本当はもっと実力があるのに緊張しやすい性格のせいで、力が出し切れなかったんだ」とそんな風に、自然と周りに感じさせる傾向があるからです。
もちろん、場合によっては、このような付け足し言葉が出来る環境ではないかもしれません。 その原稿は、言い訳をしても問題なさそうなシチュエーションだと判断した上で作ってくださいね。
<発表後に質問されて上手く答えられないケース>
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思いもしない質問をされることがあるかもしれません。 また、自分では分かっているつもりでも、いざそれを言葉で説明しようとすると難しい場合もあります。そこで、
どんな質問が飛び出してもいいように、すべての答えを用意しておくと良い
でしょう。
思いつく限りの質問を紙に書き出します。そして、それに一つずつ答えを書いて行きます。
面倒でも書き出すことによって、要点がまとまりやすくなります。 そうすれば、いざという時でも慌てずに適切な答えを話せるでしょう。
緊張しやすい人、上手く話しがしづらい人は、ぜひ先に質疑応答の原稿も用意しておいてください。
<面接などで駄目だったケース>
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面接や試験ならば、次のような考えをしてみてください。
「受かれば嬉しい。合格出来きることに越したことはない。 でも、もし不合格だったら、それは自分には合わない所(向かないモノ)だったんだ。だから、ダメでも落ち込む必要はない。落ちて良かったんだと思う」
そのぐらいの気の持ち様でいいと思います。諦めきれないことであれば、再チャレンジをすれば良いだけです。
「今は時期ではなかっただけ」「もっと頑張るべきだ」という気持ちで、もう一度頑張れば良いのです。
もし、それが最後のチャンスだったのなら、「自分には向かないモノだからやめておけ」ということなんだろうな、と思います。
「合格すれば、自分と縁がある」「駄目ならば、それは向かないからやめておけ」ということなんだな、と思うこと。 気持ちを楽にするために、この考え方は大事です。
事前に、チャレンジ先を幾つか用意しておくことでも、気持ちのゆとりができますよね。
このように、ケースに合わせた事前準備をしっかりとしておき、その上でポジティブに考えることが不安を和らげるコツだと思います。
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